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家づくりコラム

珪藻土のメリット・デメリット|仕組みや特徴、おすすめの使い方は?

2022.02.03 / 家の素材

日本で古くから壁材として使われてきた「珪藻土」。

ただ、よく耳にするようになったのは、ここ10年ほどのことだと思います。

珪藻土を原料としたバスマットやコースターなどの日用品の人気が出始めたことで珪藻土の存在を知った方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか?

珪藻土はその高い調湿性から「呼吸する壁」と呼ばれることもあるほどに湿度の調整をしてくれる素材です。

そのため、食品の湿気対策などに使用する商品もあり、便利グッズとして一般に浸透している珪藻土ですが、デメリットになる点は全く無いのでしょうか?

本記事では、珪藻土のメリット・デメリットについてご紹介しながら、住宅に珪藻土を取り入れるときのポイントについてお伝えしていきたいと思います。

 

■目次
1. 珪藻土とは
2. 珪藻土のメリット
3. 珪藻土のデメリット
4. 珪藻土はどこに取り入れるのがおすすめ?
5. 素材をしっかりと吟味することが重要

 

珪藻土とは

珪藻土バスマットなど、日常生活でよく目にするようになった珪藻土ですが、そもそもどういった素材なのでしょうか?

このパートでは、珪藻土とはどういった素材なのか、その原料や特徴などを中心にご紹介していきます。

 

珪藻土は自然素材

珪藻土は、単細胞の植物プランクトン「珪藻(藻の一種)」の遺骸が海や湖の底に積み重なり、何百万〜何千万年年月を経て化石化してできた粘土状の土を原材料とした建材です。

この珪藻の殻の部分が細かい穴が無数に空いた構造(多孔質構造)になっているため、室内の仕上げ材として使われた珪藻土は、家の中の湿度が高い場合にはその湿度を吸収し、逆に家の中の湿度が低くなってきたときには、吸着していた湿度を放出することで、家の中の湿度を一定に保つ働きをしてくれます。

これが、「呼吸する壁」と呼ばれる所以の“調湿性能”です。

 

多孔質構造のイラスト

 

そんな珪藻土ですが、皆さんの身近なところで使われていることが多いのをご存知でしょうか?

 

・壁:言わずとしれた珪藻土壁。歴史あるお家の和室などでよく見かけます。

・天井:壁と同じく、古くからある日本建築でよく見かけます。

・タイル貼りやレンガ積み:軽くて多機能ということで、珪藻土でつくったタイルやレンガなども最近では目にする機会が増えてきました。

・バスマット:珪藻土ブームの火付け役となった調湿性能に優れたバスマット。

・コースター:夏場のグラスの結露など対策に使用している方も多いのではないでしょうか?

・七輪や耐火レンガ:珪藻土の耐火性能を活かし、従来のレンガなども軽くて多機能な製品として販売されています。

・消臭グッズ:形を成形しやすいという特徴を活かして、インテリアとしても使える消臭グッズなども販売されています。

 

このように、珪藻土は、日常のいたるところでそのメリットを取り入れられる製品が多数開発された素材です。

 

珪藻土と漆喰の違いとは?

ここまで、日常グッズとしての珪藻土をご紹介してきましたが、住宅に取り入れるとしたらどのような取り入れ方があるのでしょうか。

一番は、古くから使われてきた塗り壁材としての珪藻土だと思います。

和室の壁だけ塗り壁にしたい!など、アクセントとしても人気の塗り壁材の中でよく比較候補として挙げられる漆喰と珪藻土。

この2つの素材にはどのような違いがあるのでしょうか?

 

まず大きな違いとして挙げられるのは、その主原料の違いです。

珪藻土は、前述の通り、「珪藻(藻の一種)」の遺骸が原材料となっています。

それに対して、漆喰は、「消石灰」を原材料としています。

 

この主原料の違いによって、珪藻土はとても高い調湿性能を有しています。

それに対して、漆喰は調湿性能では珪藻土に及ばないながらも、消石灰の強アルカリ性という特徴から「抗菌・抗ウイルス性」など、室内環境を清潔に保つ性能に優れた素材です。

また、見た目の点でいうと、珪藻土は表面がザラザラとした仕上がりになるため、どちらかといえば和風なお家や部屋にマッチする一方、漆喰はツルリとした仕上がりになるため、洋風のお家やフローリングとの相性が非常によい仕上がりになります。

そんな機能性やデザイン性に違いのある2つの素材ですが、材料費は漆喰が安いが、施工費は珪藻土のほうが安いため、価格感に関しては大きくは変わらないと言われています。

 

塗り壁材をお探しの方は、漆喰の特徴を記載したこちらも合わせてご参照ください。

漆喰のメリット・デメリットまとめ!特徴と注意点は?

 

珪藻土の選び方

先述の通り、「珪藻」という天然素材が主原料の珪藻土ですが、実際に自宅に取り入れる際には、選び方に注意する必要があります。

 

珪藻土は、その原材料の違いから、漆喰のように自ら固まることができません。

そのため、珪藻土を壁に塗るためには、固化材としてモルタルや合成樹脂などを配合する必要があります。

 

この配合比率がメーカーによって違うため、中には珪藻土と言いながらも珪藻土の含有率が50%を下回っているものもあります。

珪藻土の比率が50%を下回ると、漆喰よりも調湿性能が劣ってしまうと言われていますので、珪藻土の1番の特徴である調湿性能を活かすためには、含有率を確認する必要があります。

 

また、固化材を配合しないと固まらないため、中には有害な化学物質が混ざっている危険性があるものもあります。

少し前に、珪藻土の製品にアスベストが基準値以上に含まれていたとニュースになっていたことが記憶に新しいですが、このアスベストも固化材の1種として用いられていました。

このように、有害な科学物質が含まれていると、珪藻土の機能が損なわれるだけでなく、シックハウス症候群など、人体にも悪影響をおよぼす恐れがあるため、原料はしっかりと確認する必要があります。

 

珪藻土のメリット

呼吸する壁とも言われる珪藻土ですが、その高い調湿性能の他にはどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきたいと思います。

 

調湿性に優れている

まずは、珪藻土の代表的なメリットである調湿性能についてです。

珪藻土は、多孔質な構造であり、直径2〜50ナノメートルの小さな穴が吸湿・放湿機能となっており、人間が快適に感じる40%〜60%に湿度を保ってくれる効果があります。

部屋の湿度が高ければ吸湿し、逆に部屋が乾燥してれば放湿してくれることで、結露の発生やそれに伴う、カビやダニの発生を抑制してくれます。

 

消臭効果がある

珪藻土が調湿してくれることにより、湿度が高いと揮発しやすくなると言われるニオイ分子の揮発が抑制されます。

それにより、ニオイを感じにくくなるとともに、タバコや焼き魚などの料理のニオイ(水溶性)を脱臭してくれる効果もあります。

 

断熱性・耐火性が高い

1章でご紹介したように、七輪や耐熱レンガにも用いられているように珪藻土は、断熱性や耐火性能にも優れています。

とくに、その耐熱性は、約1,000度まで耐えられるとも言われています。

 

有害物質を吸着する

珪藻土自体が、シックハウス症候群の心配が少ない自然素材を原材料としているだけでなくホルムアルデヒドなどの有害物質も吸着してくれることにより、他の建材や家電から放出された有害物質により健康被害も抑えてくれることに繋がる可能性もあります。

 

色やデザインの種類が豊富にある

珪藻土は、漆喰と比べると非常に多くのカラーバリエーションがあるため、希望の部屋のデザインに合わせてカラーを選び、アクセントにすることができます。

また、塗り方によって様々な塗り模様を残すことができるので、フラットな壁はもちろん、自分たち家族だけのオリジナルの模様を実現することもできます。

DIYなどでの施工ももちろん可能ですが、仕上がりの美しさを要求するのであれば、1,000年以上の歴史のあるコテ塗りを生業にしている、高い技術のある左官職人さんに依頼するのがおすすめです。

 

珪藻土のデメリット

ここまでは珪藻土のメリットに着目してきましたが、お家に取り入れるにあたってデメリットになりうる部分も気になりますよね?

ここからは、珪藻土のデメリットになりうる部分を見ていきたいと思います。

 

粉がボロボロと落ちやすい

珪藻土は、壁に塗った後でも微細な隙間が残った状態になります。

そのため、表面のざらざらとして触り心地が特徴的ですが、服などがすれると引っかかりやすく、強く擦ってしまうと、粉が落ちることがあります。

特に、DIYなどで壁紙の上に直接施工した場合などには、つなぎが不十分でポロポロと珪藻土が剥がれる恐れがあるため、壁の下地の下処理を丁寧に行う必要があるのは注意点の1つです。

また、仕上がりのざらざらした触り心地により、ホコリが溜まりやすいですが、強くこすってとるのではなく、はたきなどで優しく表面を撫でるように掃除するのが日々のメンテナンスのポイントです。

 

液体をこぼすとシミになりやすい

珪藻土は、非常に吸水性が高い素材ですので、液体をこぼすとすぐに吸い込んでしまい、シミになりやすいというデメリットがあります。

また、少し汚してしまった際に水拭きしてしまうと、タオルの水分を汚れと一緒に吸い取ってしまうため、水拭きは避ける必要があります。

そのため、コーヒーやお醤油などの頑固なシミが付いてしまった場合には、サンドペーパーなどで汚れを落とした後に、珪藻土を上塗りして補修する必要があります。(漂白剤などを使用すると、珪藻土の色素まで脱色してしまう可能性があるため注意が必要です。)

頑固な汚れの扱いが難しいことに反して、手垢や擦り跡などの表面の軽い汚れは、消しゴムやメラミンスポンジで軽くこすると取れるのは生活に取り入れる上で嬉しいポイントです。

 

カビが生えるおそれがある

珪藻土には漆喰と違い、抗菌効果がないため、湿度が高い状態が続いたり、汚れが付着したのを放置したりすると、カビが生える可能性があります。

もしカビが生えてしまった場合には、アルコール濃度が80%ほどの消毒用エタノールをスプレーなどで塗布し、カビをこすり取る必要があるのですが、強くこすると珪藻土の表面が落ちてしまうため、注意が必要です。

 

凝固剤やつなぎ材によって、効果が弱まる可能性がある

前述のように、珪藻土自体には、自ら固まる特性がありません。

そのため凝固剤やつなぎ材を配合しますが、珪藻土の比率が少なくなると、当然調湿効果などの珪藻土の効果は低下してしまいます。

また、凝固剤として合成樹脂(ボンドなど)を配合してしまうと、珪藻土の表面の無数の穴を塞いでしまい、効果が低下してしまうため、珪藻土の含有量だけでなく、凝固剤の種類にも着目して購入することが必要です。

 

珪藻土はどこに取り入れるのがおすすめ?

ここまで珪藻土のメリットやデメリットをご紹介してきましたが、結局珪藻土を取り入れるなら、どんな部屋が適しているのでしょうか?

 

調湿性能や消臭性の観点から珪藻土が適したお部屋を挙げるとすれば、トイレや洗面所などに施工するのがおすすめです。

 

特に、洗面脱衣所で洗濯物を室内干ししたりするご家庭では、カビの発生の抑制ができる上に洗濯物が乾きやすくなるため、特におすすめです。

塗り壁の室内干しスペースの事例はコチラ

 

また、乳幼児のようにお家の中の空気環境の影響を受けやすい家族が過ごす時間が長い部屋に取り入れるのもおすすめです。

乳幼児期は、体内に取り入れる空気が大人よりも多いため、空気中の有害物質の影響を受けてアトピーや喘息、化学物質過敏症の発症のきっかけになってしまう可能性もあるので、珪藻土の含有量が50%以上の自然素材系の珪藻土壁を施工するのがおすすめです。

 

素材をしっかりと吟味することが重要

今回は、珪藻土について、素材の特徴からメリット・デメリットなどご紹介をさせていただきました。

珪藻土とひとくちに言っても、製造メーカーによって配合している素材も分量も異なりますので、自分たちが珪藻土を取り入れたいと思っている理由から、何を重視して珪藻土を選ぶのかを考えていただけると、施工してからも心配や後悔がない暮らしを送れるのではないでしょうか?

 

塗り壁のお家に興味がある方は、是非、秋山住研のホームページを覗いてみてくださいね。

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